「遺産分割の書類は、まだ中学生の子どもの分も親の私が署名すればいい」——そう考えて銀行や法務局に持っていくと、特別代理人を選任してくださいと言われることがあります。もめているわけでもないのに、なぜ家庭裁判所まで行く必要があるのか、納得しにくいところだと思います。
ただ、未成年のお子さんが相続人にいれば必ず特別代理人が要る、というわけではありません。分かれ目になるのは、親であるあなたも同じ相続の相続人かどうかと、あなたが親権者になっている未成年のお子さんが何人いるかの2点です。
このページでは、特別代理人が必要なケースと要らないケース、誰を候補者にできるか、申立ての費用と書類、協議書の案を作るときの注意を説明します。選任される前に署名を集めてしまうと、その協議書は窓口で受け付けてもらえません。印鑑を押す前にお読みください。
未成年の相続人がいると、必ず特別代理人が必要?
必ず必要になるわけではありません。未成年のお子さんが相続人にいることと、特別代理人が必要かどうかは別の問題です。
決め手になるのは、次の2点です。
- 親権者であるあなたも、同じ相続の相続人か
- あなたが親権者になっている未成年のお子さんが、2人以上相続人になっているか
どちらかにあてはまれば特別代理人が必要です。どちらにもあてはまらなければ、あなたがお子さんを代理して遺産分割協議に参加できます。
決め手は「親も相続人かどうか」
未成年のお子さんは、自分ひとりで遺産分割協議に参加することはできません。法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意のないままにした行為は取り消される可能性があるためです民法第5条。お子さん本人が協議書に署名・押印しても、それだけでは足りません。
そこで通常は、親権者がお子さんの財産に関する手続きを代理します民法第824条。遺産分割協議もそのひとつです。
ところが、親であるあなたも同じ相続の相続人である場合は、この代理ができません。あなたとお子さんが、同じ遺産を分け合う立場にあるからです。あなたが多く取ればお子さんの取り分は減り、お子さんに多く残せばあなたの取り分が減ります。あなたがお子さんの代理人を兼ねると、自分の取り分と、自分が代理するお子さんの取り分を、ひとりで決めることになってしまいます。
このように親と子の利益がぶつかる行為を利益相反行為といいます。この場合、親権者は家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないと定められています民法第826条第1項。
問われるのは、実際にもめているかどうかではありません。親子の関係が良好で、取り分を争うつもりがまったくなくても、立場として利益がぶつかっている以上、利益相反行為にあたります。「うちは円満なので大丈夫です」という説明で省略できるものではありません。
未成年の子が2人以上いるときは、もう1つの分かれ目
あなたが相続人でない場合でも、あなたが親権者になっている未成年のお子さんが2人以上相続人になっているときは、特別代理人が必要です。
お子さん同士も、同じ遺産を分け合う関係にあるためです。あなたが2人ともの代理人になると、兄弟姉妹の取り分をひとりで決めることになります。この場合も、一方のお子さんのために特別代理人を選任することが必要と定められています民法第826条第2項。
ただし、必要になる特別代理人の人数は状況によって変わります。あなたが相続人でなければ、お子さんのうち1人はあなたが代理できるため、特別代理人は残りのお子さんの分だけで足ります。あなたも相続人であれば、どのお子さんも代理できないため、お子さんの人数と同じ数の特別代理人が必要です。
特別代理人が要らないケース
次のような場合は、特別代理人を選任せずに進められます。
- あなたが相続人でなく、未成年のお子さんが1人だけ:利益がぶつかる相手がいないため、あなたがお子さんを代理できます。祖父母が亡くなり、すでに親が亡くなっているためお孫さんが代わりに相続人になった場合(代襲相続)などがこれにあたります
- お子さんが18歳に達している:成年年齢は18歳です民法第4条。18歳以上であれば、ご本人が協議に参加して署名・押印できます
- 遺言があり、遺産分割協議をしない:誰が何を引き継ぐかが遺言で決まっていれば、そもそも話し合いが要りません
- 話し合いをせず、法定相続分どおりに相続登記する:分け方を決めないため、利益がぶつかる場面が生じません
法定相続分どおりの相続登記なら、特別代理人を選ばずに済ませられます。ただし不動産は相続人全員の共有になり、あとで売却するときや次の相続が起きたときに、結局は全員の関与が必要になります。手続きを早く終わらせるためだけに選ぶと、負担を先送りすることになります。
✏️ケース別・特別代理人の要否
| 相続人の顔ぶれ | 特別代理人 | 理由 |
|---|---|---|
| あなたと未成年の子1人 | 必要(1人分) | 親子で取り分がぶつかる |
| あなたと未成年の子2人 | 必要(2人分) | 親子でも子どうしでもぶつかる |
| あなたは相続人でなく、未成年の子1人 | 不要 | ぶつかる相手がいない |
| あなたは相続人でなく、未成年の子2人 | 必要(1人分) | 子どうしでぶつかる。もう1人はあなたが代理できる |
| 子が18歳以上 | 不要 | 本人が協議に参加できる |
特別代理人を選ばずに進めるとどうなる?
遺産分割の効力が生じず、相続登記も預貯金の払戻しも進みません。そしてこの問題は、手続きの入口で明らかになります。
親が代理して作った協議書は窓口で止まる
特別代理人を選任しないまま、親であるあなたがお子さんを代理して遺産分割協議書を作っても、その協議は効力を生じません。代理権のない人が代理してした行為(無権代理)として扱われるためです民法第113条。
そして実務上は、その協議書を持って行っても手続きが進みません。相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を提出します。戸籍にはお子さんの生年月日と、あなたも相続人であることが記録されているため、利益相反があることは提出書類の上で分かります。法務局の相続登記でも、金融機関の払戻しでも、特別代理人が選任されたことを示す家庭裁判所の審判書を求められます。
判断能力に不安のある相続人がいる場合は、署名も印鑑証明書もそろっているため、いったん手続きが通ってしまい、後から有効性を争われることがあります。未成年のお子さんの場合はこれと違い、戸籍から利益相反が分かるため、入口で止まります。知らないまま手続きが進んでしまう心配は少ない反面、選任を後回しにしているあいだは、口座も名義も動きません。
すでに署名を集めてしまった場合
先に協議書を作ってしまっていても、立て直せます。方法は2つあります。
- 特別代理人を選任して、あらためて協議する:通常はこちらです。相続人全員から、もう一度署名・押印をもらい直すことになります
- お子さんが18歳に達した後、本人に認めてもらう:無権代理の行為は、本人が後から追認すれば、協議をした時点にさかのぼって効力が生じます民法第116条。ただしお子さんが成年に達するまで手続きが止まるため、選べる場面は限られます
いずれにしても、相続人全員に事情を説明し、もう一度書類に協力してもらうことになります。
特別代理人には誰がなれる?
その相続の相続人ではなく、なおかつ未成年のお子さんと利益が相反しない方であれば、候補者になれます。実際には、相続人にあたらない親族にお願いすることが多くあります。
候補者は申立てのときに自分で挙げる
特別代理人の候補者は、申立てをするときにこちらで決めて申立書に書きます。家庭裁判所が適任者を探してくれるわけではありません。添付書類として、候補者の住民票または戸籍の附票も提出します。
そのため、申立ての前に誰にお願いするかを決め、その方の承諾を得ておく必要があります。書類はそろったのに候補者が決まらず、そこで止まってしまうことがあります。
相続人になっている人は候補者にできない
候補者にできないのは、その相続の相続人にあたる方です。相続人が特別代理人になると、お子さんと同じ遺産を分け合う立場に立ち、また利益が相反してしまいます。それではお子さんの利益を守るという特別代理人の役割を果たせません。
たとえば、お父さまが亡くなり、相続人がお母さまとお子さんである場合、お母さまはお子さんの特別代理人になれません。ほかにご兄弟がいて、その方も相続人になっているのであれば、そのご兄弟も候補者にはできません。
相続人でない親族にお願いすることが多い
亡くなった方にお子さんがいる場合、祖父母や亡くなった方の兄弟姉妹は相続人になりません。そのため、次のような方が候補者になることが多くあります。
- お子さんの祖父母
- おじ・おば
- いとこなど、そのほかの親族
特別代理人はお子さんの取り分を守る立場になるため、お子さんの生活や家庭の事情を分かっている方にお願いできると、その後のやりとりが進めやすくなります。あわせて、その方自身がお子さんと利害の対立を抱えていないかも確かめてください。
身内に頼める人がいないとき
候補者にできる親族がいない場合や、親族に頼むとかえって相続でもめそうな場合は、司法書士・弁護士などの専門家を候補者にすることもできます。
専門家を候補者にする場合は報酬が発生します。金額は依頼先や事案の内容によって異なります。
候補者を挙げても、その方が特別代理人として適切かどうかを判断するのは家庭裁判所です。挙げた方がそのまま選ばれるとは限らず、家庭裁判所が別の方を選ぶこともあります。
選任申立ての流れ
特別代理人の選任は、遺産分割協議書の案を先に作り、それを添えて申し立てるという順序になります。案がないまま、申立てだけを先に済ませることはできません。全体の流れを押さえておくと、準備の見通しが立ちます。
✏️特別代理人の選任から相続手続きまでの流れ
相続人と遺産を確定する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集め、相続人が誰かを確定します。ここで特別代理人が必要かどうかもはっきりします。あわせて、不動産や預貯金など遺産の内容も確認します。
遺産分割協議書の案を作る
誰が何を取得するかを決めた案を作ります。この案は申立ての添付書類になるため、申立ての前に用意しておく必要があります。この段階では、まだ署名・押印はしません。
候補者を決めて書類をそろえる
特別代理人になっていただく方を決め、承諾を得ます。候補者の住民票または戸籍の附票のほか、お子さんと親権者の戸籍謄本を集めます。
家庭裁判所に申し立てる
お子さんの住所地を管轄する家庭裁判所に、申立書と添付書類を提出します。あわせて収入印紙と連絡用の郵便切手を納めます。
家庭裁判所が審理し、特別代理人を選任する
提出された協議書の案の内容や、候補者が適切かどうかが確認されます。必要に応じて、書面での照会や資料の追加提出を求められることがあります。選任されると審判書が届きます。
特別代理人を加えて協議書に署名・押印する
特別代理人がお子さんに代わって、相続人全員とともに遺産分割協議書に署名・押印します。この協議書を使って、相続登記や預貯金の払戻しなどの手続きを進めます。
誰が、どこに申し立てる?
申立てができるのは親権者または利害関係人で、申立先はお子さんの住所地を管轄する家庭裁判所です。
民法でも、親権者が家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないと定められています民法第826条第1項。ほかの相続人など、利害関係のある方から申し立てることもできます。
申立てをするのは親権者であるあなたですが、手続きを専門家に手伝ってもらうことはできます。家庭裁判所に提出する書類の作成を依頼できるのは、司法書士と弁護士に限られます。司法書士は申立書や遺産分割協議書の案の作成を担い、弁護士は必要に応じて代理人として手続きに関わります。ご家族だけで一から進める必要はありません。
費用と主な必要書類
✏️特別代理人の選任にかかる費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 収入印紙 | 800円(お子さん1人につき) |
| 連絡用の郵便切手 | 家庭裁判所による |
※2026年7月現在(裁判所公式サイトで確認)。このほか戸籍・住民票などの取得費がかかります。
収入印紙はお子さん1人につき800円です。未成年のお子さんが2人いて、2人とも特別代理人が必要な場合は、その分だけ費用も書類も増えます。
主な必要書類は次のとおりです。
- 申立書
- 未成年者(お子さん)の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 親権者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 特別代理人候補者の住民票または戸籍の附票
- 利益相反に関する資料(遺産分割協議書の案など)
- 利害関係人から申し立てる場合は、利害関係がわかる資料
住民票を取り寄せるときは、マイナンバー(個人番号)が記載されていないものを選んでください。裁判所では、住民票などはマイナンバーの記載がないものを提出するよう案内されています。窓口や請求書で「個人番号の記載なし」を指定できます。
選任までにかかる期間は、事案の内容や家庭裁判所によって異なります。書類の確認や照会があるため、申し立ててすぐに選任されるわけではありません。相続税の申告が必要な場合は10か月という期限があり、その間に選任と遺産分割まで終える必要があります。戸籍を集める段階から数えると余裕は多くないため、早めに動き出してください。
遺産分割協議書の案を作るときの注意
案の内容は家庭裁判所が確認します。原則として、お子さんの法定相続分が確保されている必要があります。
子の法定相続分を確保するのが原則
特別代理人は、お子さんの利益を守るために選ばれます。そのため、協議書の案がお子さんに不利な内容だと、選任の段階で問題になります。
目安になるのは法定相続分です。お父さまが亡くなり、相続人がお母さまとお子さん1人であれば、法定相続分はそれぞれ2分の1です民法第900条。お子さんが2人であれば、お母さまが2分の1、お子さんはそれぞれ4分の1ずつになります。
「遺産はすべて母が取得する」という内容の案は、原則として認められません。お子さんの取り分がゼロになるためです。ご家族の仲が良く、いずれお子さんに残すつもりであっても、案としては、原則として通りません。
「いまは母がまとめて管理して、子が成人したら渡す」というご家庭の中の取り決めがあっても、案として見られるのは協議書の上でお子さんの取り分が確保されているかどうかです。口頭の約束を前提にした案は避けてください。
自宅を親が取得したいとき
遺産の中心が自宅の不動産で、そこにお母さまとお子さんが住み続ける場合、「自宅は母の名義にしたいが、子の法定相続分も確保しなければならない」という板挟みになります。考えられる方法は次のとおりです。
- 不動産を共有にする:法定相続分に応じた持分でお子さんも取得します。ただし、将来売却するときには、そのときのお子さんの関与が必要になります
- 不動産は親が取得し、預貯金など他の財産をお子さんに配分する:遺産全体で法定相続分が確保されていれば、取得する財産の種類が違っていても構いません
- 代償金を支払う:お母さまが不動産を取得する代わりに、法定相続分にあたる金銭をお子さんに支払います
どの方法を取れるかは、遺産の内容と、お子さんの取り分をどう確保できるかによって変わります。案を作る段階で、どの形なら成り立つかを詰めておいてください。
お子さんが取得した財産は、お子さん自身のものです。成年に達するまでは親権者が管理しますが民法第824条、家計と一緒にせず、お子さん名義の口座で分けて管理しておくと、後から使いみちを説明できます。
選任後に内容を変えるときは
特別代理人の権限は、審判で定められた行為に限られます。申立てのときに提出した協議書の案と、実際に取り交わす協議書の内容は一致させてください。
選任された後になって分け方を変えたいとなった場合、審判で認められた範囲を超えるため、そのままでは進められません。あらためて家庭裁判所の手続きが必要になります。
特別代理人が選任される前に、協議書へ署名・押印を集めないでください。案の内容は家庭裁判所が確認します。先に署名を集めてしまうと、内容の見直しが必要になったときに、相続人全員からもらい直すことになります。
✏️ほかに当てはまる方はこちらへ
相談先の選び方|司法書士に相談できること
未成年のお子さんが相続人にいる場合、必要になる作業は戸籍の収集から家庭裁判所への申立てまで幅があります。何を誰に頼めるのかを整理しておくと、迷わずに進められます。
司法書士に相談できること
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確定する
- 特別代理人が必要かどうか、何人分必要かを確認する
- 遺産分割の対象になる財産の範囲を確認する
- 遺産分割協議書の案を作成する
- 特別代理人選任の申立書類を作成する
- 遺産分割の内容にもとづく相続登記を申請する
前に触れたとおり、家庭裁判所に提出する書類の作成を依頼できるのは、司法書士と弁護士に限られます。申立人となるのは親権者であるあなたですが、必要書類の収集から申立書・協議書の案の作成まで、準備の実務は司法書士がお手伝いします。ご家族だけで一から進める必要はありません。
司法書士以外に確認が必要なこと
✏️確認したいことと相談先
| 確認したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 相続人の確定、特別代理人の要否、申立書類・協議書の案の作成、相続登記 | 司法書士 |
| 相続税の申告が必要か、税額はいくらか | 税理士 |
| 相続人の間で主張が対立し、代理人に交渉を任せたい | 弁護士 |
当事務所では、戸籍を集めて相続人を確定し、特別代理人の要否の確認、遺産の範囲の確認、遺産分割協議書の案の作成、家庭裁判所へ提出する書類の作成をお引き受けしています。相続人の間で主張が対立している場合は、弁護士へのご相談をご案内します。
よくある質問
- 未成年の子がいれば、必ず特別代理人が必要ですか?
- 必ず必要になるわけではありません。決め手は、親権者も同じ相続の相続人かどうかと、その親権者が親権を持つ未成年のお子さんが2人以上相続人になっているかどうかの2点です。どちらにもあてはまらなければ、親権者がお子さんを代理して遺産分割協議に参加できます。
- 誰が特別代理人になれますか?
- その相続の相続人ではなく、なおかつお子さんと利益が相反しない方であれば候補者になれます。相続人が特別代理人になると、お子さんと同じ遺産を分け合う立場に立ち、また利益が相反してしまうためです。実務では、相続人にあたらない祖父母・おじ・おばなどの親族にお願いすることが多くあります。適任の親族がいない場合は、司法書士・弁護士などの専門家を候補者にすることもできます。ただし、候補者が適切かどうかを判断するのは家庭裁判所です。
- 子ども本人が遺産分割協議書に署名すればよいのではありませんか?
- それだけでは足りません。未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意のないままにした行為は取り消される可能性があるためです。なお、成年年齢は18歳のため、お子さんが18歳以上であればご本人が協議に参加して署名・押印できます。
- 特別代理人を選ばずに、家族で決めた人に代理してもらえませんか?
- できません。特別代理人は家庭裁判所が選任します。家庭裁判所の選任を経ていない方がお子さんを代理しても、代理権がないため、その遺産分割は効力を生じません。
- 母である私が遺産をすべて相続する内容にできますか?
- 原則として認められません。特別代理人はお子さんの利益を守るために選ばれるため、協議書の案は原則としてお子さんの法定相続分が確保される内容であることが求められます。自宅をお母さまが取得したい場合は、預貯金など他の財産をお子さんに配分する、代償金を支払うといった方法を検討します。
- 未成年の子が2人います。特別代理人も2人必要ですか?
- 親権者も相続人であれば2人必要です。どのお子さんも代理できないためです。親権者が相続人でない場合は、お子さん1人は親権者が代理できるため、特別代理人は1人で足ります。収入印紙はお子さん1人につき800円かかります。
- すでに親が代理して協議書を作ってしまいました。どうなりますか?
- 代理権のない人が代理してした行為として扱われ、そのままでは効力が生じません。立て直す方法は2つあります。特別代理人を選任してあらためて協議するか、お子さんが18歳に達した後にご本人に追認してもらうかです。追認すれば協議をした時点にさかのぼって効力が生じますが、成年に達するまで手続きが止まります。
まとめ|署名を集める前に、親も相続人かを確かめる
未成年のお子さんが相続人にいる場合に押さえておきたいのは、次の点です。
- 未成年の子がいれば必ず特別代理人、ではない。親も相続人か、未成年の子が2人以上かで決まる
- 親子の仲が良くても、立場として取り分がぶつかる以上、利益相反にあたる
- 選任しないまま作った協議書は、戸籍から利益相反が分かるため窓口で止まる
- 候補者はこちらで決めて申し立てる。その相続の相続人は候補者にできない
- 申立先はお子さんの住所地の家庭裁判所。収入印紙はお子さん1人につき800円
- 遺産分割協議書の案は申立ての添付書類。案が先、署名は選任された後
- 案は原則として、お子さんの法定相続分が確保される内容にする
順番を飛ばすと、せっかく集めた署名をもらい直すことになります。まずは戸籍を集めて相続人を確定し、特別代理人が必要かどうかを確かめるところから始めてください。
未成年のお子さんが相続人でお困りではありませんか?
「子どもの分は親の私が署名すればよいと思っていた」「特別代理人が必要と言われたが誰に頼めばよいか分からない」「自宅は自分の名義にしたいが、子の取り分をどう確保すればよいか」——そんなときは、司法書士事務所神戸リーガルパートナーズにご相談ください。協議書に署名を集める前に、特別代理人が必要かどうかの確認から整理してお手伝いします。家庭裁判所へ提出する書類の作成もお引き受けします。
遠方の方・外出が難しい方はオンラインでのご相談も可能です
