相続放棄の失敗事例
長男が急死した。
長男には多額の借金があるため両親が心配し「相続放棄したい」と両親がご相談に来られた。
問題点
長男には離婚歴が2回あった。
別れた妻Aとの間に子供1人があり、別れた妻Bとの間に子供が2人ある。
相談者である両親は別れた妻Bとその子のみと交流がありAおよびAの子とは交流がない。
この場合長男の相続人は子供ら3人である。
子供ら3人ともが放棄すれば両親は次に相続人となるので、子供たちが相続放棄すれば手続きしましょう、ということになった。
処理
当職のアドバイスにより両親からBおよびBの子に相続放棄が促され、Bの子らはいずれも相続放棄が認められた。
Aの子は自分で相続放棄手続きを行ったところ死亡から3か月以上経過しての申し立てであったため申立書の書き方に失敗し、相続放棄が認められなかった。
そのためAの子は多額の借金の相続人となってしまった。
両親は相続人とならなかったため相続放棄を要しなかったが、Aの子が専門家に相談しなかったことは悔やまれる事例であった。