民事信託

「民事信託」という言葉をご存知でしょうか?

聞いたことがない方も多いかと思いますが、現在、相続対策で最も有効とも言われる方法が「民事信託」です。

「信託」と言えば、「投資信託」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、民事信託は、投資信託とは全く異なり、一部の資産家を対象とするものではなく、誰でもお使いいただけるとても身近な仕組みです。

特に、「高齢者や障碍をお持ちの方の財産管理」に有効だと言われています。

 

民事信託とは?

民事信託とは、財産管理手法の1つとして、資産保有者(委託者)が「遺言」又は「契約」によって、信頼できる相手(受託者)に対し、資産(不動産・預貯金・有価証券等)を移転し、一定の目的(信託目的)に従って、特定の人(受益者)のためにその資産(信託財産)を管理・処分することをいいます。

もっとも分かりやすく言うと、

高齢者が自分の財産を、「誰に」「どのような目的で」「いつ」渡すことを、あらかじめ生前に契約し、その財産を信頼できる相手に移し、将来その契約を実行させることです。

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では、民事信託が、なぜ優れていると言われるのでしょうか?

それは、「遺言」「成年後見」では制度上実現できないことが、「民事信託」を使うと可能になるからです。

 

民事信託のポイント1

「遺言」では対応できないことにも対応できる

「遺言」は、法律で定められた行為であるため、「遺言書」を残すことにより、

「誰に」「どの財産を」相続するかを定めることができます。

しかし、遺言の制度をもっても、以下のような意志を反映させることはできません。

 

□ 使い込んでしまうと困るので、年金のように毎月定額を渡してほしい・・・
□ 遺産の貰い手が一定の年齢(たとえば20歳)になったら遺産を渡してほしい・・・
□ 遺産の貰い手が、将来その遺産を使いきれずに死亡した場合は、財産の次の貰い手まで指定したい・・・
□ 特定の目的(家の増改築や入院、施設入所等)のために遺産を活用してほしい・・・

 

このように、「誰に」「何を」指定するだけでなく、「いつ」「何の目的で」財産を渡すかまで指定することができる制度が、民事信託です。

 

民事信託のポイント2

「成年後見」では対応できないことにも対応できる

万が一認知症になった場合、「成年後見」の制度を利用することができます。「成年後見」とは、財産の管理や日常生活のサポートを「後見人」が行う、国で定められた制度です。

「財産管理業務」では、後見人が被後見人の生活に必要なお金の出し入れを行います。

そのため、成年後見の制度をもっても、以下のような行為をすることはできません。

□判断能力が低下した後でも、積極的な資産運用(株式投資や賃貸不動産の取得等)をしたい。
□判断能力が低下した後でも、相続税対策として生前贈与を継続していきたい。

このように、後見制度を開始した場合には不可能な「積極的な資産運用」や、「相続税対策」までを行うことができるのが、「民事信託」です。

信頼した相手に財産を移転するため、判断能力が低下した後でもご自身の意思を尊重することができます。

 

民事信託のポイント3

障碍をお持ちの方へ財産を残したい場合に有効

親が亡くなった後、障碍を持つ子供が残された場合に起こる財産管理や身の回りのサポートの問題を「親亡き後問題」と言います。

 

例えば、お子様が二人の場合、

「自分が亡くなった後、障碍をもつ片方の世話を、もう一方が行ってほしい」

という希望があり、「遺言」によって片方に財産を託したとします。

 

しかし、これが実行されるかどうかまでを遺言では、指定することはできません。

民事信託では、契約で残されたこと(子の生活・療養・介護等に必要な資金の給付など)を確実に実現させることが可能です。

 

 


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